オレンジ瓦と白い壁


オレンジ色の瓦の屋根と白い壁の家。といえば小林住宅!オレンジ色の屋根に白い壁、木製のドア、曲線を描く白い門。ベランダも白く、かわいい模様がくり抜かれている。窓からの落下防止や、外部からの侵入防止のための柵でさえ、ティーカップのようにふくらんだり、くねくねと曲がっていた。アニメ「魔女っ子メグちゃん」のメグの家のような洋風の外観に「いいな、いいな〜」と、子どもの頃、憧れていました。
中学に上がって、仲良くなった友達と家の話をしていたら、「ウチにはドレッシング・ルームがある」と言う。ドレッシングと言われても、サラダ・ドレッシングしか思い浮かばないのでよく聞いてみると、「着替えをするためだけの部屋」だそう。なんて贅沢な!友達はあの小林住宅に住んでいたのでした。
そして彼女の家に遊びに行くことに(ワクワク)。「おじゃましまーす。」と玄関に上がると、なんだか見慣れた間取り。細い廊下の奥が和室の居間、手前がダイニング・ルーム、反対側がお風呂etc.。玄関のすぐ右側が階段。狭くて急で、手をつきながら上がる。二階に上がるとすぐ横にドア。部屋から出てくる人と、階段を上ってくる人がはち合わせすると危ないな、と思った。お目当てのドレッシング・ルームは、ご両親の寝室にあった。一辺の壁の真ん中がくり抜かれていて、奥に横長のスペースが。なんとなく、キラキラとゴージャスなものを想像していたので、なんだー、と思ったけれど、部屋の中にもうひとつ部屋があるようで、それはすごく羨ましかった。

実際に中に入った小林住宅の家は、それまでの日本人の住宅に、洋風のエッセンスを少し無理矢理につめ込んだような印象(スミマセン!)。でもそのセンス、私は好きです!ドレッシング・ルームの他にも何かあるはず。。できることなら、当時の設計士さんの解説つき「小林住宅をめぐるツアー」に参加してみたいです。