美人猫


あっ。

カメラのストラップをねこじゃらしみたいに振ってみたら、こっちを見てくれた。しばらくじっと見ていて(でも、うずうずしているのが何となく解る)、その後、そしらぬふりでこっちに近づいてきた。

もの陰に隠れてしまった。ここの家の猫は大家族。勝手におにぎり猫と呼んでいる、頭に海苔を貼ったような大きな猫はいなかった。
春は猫の声がうるさい程だったのに、年々聞こえなくなってしまった。うぐいすも毎年来て鳴いていたのに、今年は一度も聞かない。ご近所の方もそう思っていたらしい。淋しい。子供の頃はのら犬に追っかけられたり、歩いているのを見かけたけれど。